セックスレスは何年から多い?既婚者の頻度と本音

セックスレスは何年から多い?既婚者の頻度と本音 Partnership

夫婦のセックスレスは、今や特別な問題ではありません。共働き、子育て、仕事の疲れ、親の介護、更年期、夫婦関係の変化など、さまざまな理由から、結婚後に性生活が減っていく夫婦は少なくありません。

一方で、「うちだけなのでは」「女性として見られていない」「もう終わりなのかもしれない」と不安を抱えている人も多いものです。

セックスレスは、単に性行為の頻度が少ないことだけを意味しません。そこには、愛情確認、会話不足、孤独感、自尊心、男女差、結婚生活への満足度といった問題が深く関わっています。

本記事では、セックスレスの定義、年代別の頻度、既婚男女の本音、レスになる理由、男女それぞれの心理、改善のヒントまでを詳しく解説します。

セックスレスの定義とは?

まず、「セックスレス」とは何を指すのでしょうか。

日本性科学会では、「特別な事情がないにもかかわらず、1か月以上性交渉がないカップル」をセックスレスと定義しています。

ここでいう性交渉には、挿入を伴う性行為だけでなく、キス、ハグ、性的なスキンシップなども含まれます。

つまり、単に回数が少ないことだけではなく、お互いが異性として触れ合わなくなり、性的な関心や親密さが失われている状態も、広い意味でセックスレスといえます。

ただし、夫婦双方が納得していて、不満がない場合は、必ずしも問題とは限りません。

問題になるのは、片方だけが不満を抱えている場合です。

「本当は触れ合いたいのに拒否される」「求めても避けられる」「女性として見られていない気がする」。

こうした状態が続くと、セックスレスは単なる性生活の問題ではなく、夫婦関係全体の問題へと発展していきます。

セックスレスは何年目から増える?

結婚後、セックスレスはいつ頃から増えるのでしょうか。

一般的には、結婚3〜5年目頃から性生活が減り始める夫婦が多いとされています。

特に、子どもが生まれる時期と重なる30代前半から40代にかけて、セックスレス率は大きく上昇します。

日本家族計画協会が行った調査では、既婚者の半数近くがセックスレス傾向にあると回答しています。

また、40代以降では、「1年以上性交渉がない」「数年単位でない」という夫婦も珍しくありません。

年代別にみると、

  • 20代後半〜30代前半:出産・育児で減少
  • 30代後半〜40代:仕事と育児の両立、疲労で減少
  • 50代:更年期、健康問題、長年の習慣化で減少
  • 60代以降:夫婦関係の固定化、身体機能の低下で減少

という傾向があります。

つまり、セックスレスは「仲が悪い夫婦だけ」の問題ではなく、多くの夫婦が通る可能性のある課題なのです。

なぜセックスレスになるのか

なぜセックスレスになるのか

1. 子育てと生活疲れ

セックスレスの最も大きな原因のひとつが、子育てと生活疲れです。

特に女性は、妊娠・出産を経て身体的負担が大きく、子どもが小さい時期は睡眠不足や疲労が慢性化します。

夜になっても、「やっと一人になれる」「少しでも寝たい」という気持ちが強くなり、性的な気持ちになれない人も少なくありません。

また、男性側も仕事が忙しく、帰宅後は疲れ切っていて、夫婦の時間を持つ余裕がなくなります。

2. 相手を家族としてしか見られなくなる

結婚生活が長くなると、相手を「夫」「妻」というより、「家族」「同居人」として見るようになります。

特に子ども中心の生活になると、夫婦が異性として向き合う時間が減り、お互いを恋愛対象として見られなくなることがあります。

脳科学者・認知科学者の中野信子氏は、著書『不倫』の中で、「人は、日常化した相手には刺激を感じにくくなる」と述べています。

恋愛初期に分泌されるドーパミンは、慣れによって弱まり、長年一緒にいる相手にはときめきを感じにくくなるのです。

3. 会話不足

夫婦の会話不足も、セックスレスを深刻化させる大きな原因です。

女性は、会話や感情共有がない状態では、身体的な接触にも前向きになりにくい傾向があります。

「優しくされていない」「話を聞いてもらえない」「日常で雑に扱われている」と感じると、性的な気持ちは起こりにくくなります。

脳科学コメンテーター・人工知能研究者の黒川伊保子氏は、「女性は会話によって愛情を確認し、男性はスキンシップで愛情を確認するため、ここに大きなズレがある」と説明しています。

つまり、男性側が「セックスしたい」と思っていても、女性側は「その前に、ちゃんと話を聞いてほしい」と感じていることが多いのです。

4. 更年期と身体の変化

40代後半から50代にかけては、更年期の影響も大きくなります

女性は、ホルモンバランスの変化によって、性欲低下、疲れやすさ、イライラ、不眠、性交痛などが起こりやすくなります。

一方、男性も加齢によって性機能が低下し、勃起力の低下や性欲減退を感じることがあります。

しかし、こうした変化を夫婦で話し合わないと、「拒絶された」「愛されていない」と誤解が生まれやすくなります。

セックスレスに対する男女の本音

女性側の本音

女性がセックスレスに悩む理由は、「性欲が満たされない」ことだけではありません。

むしろ、

  • 女性として見られていない
  • 愛されていない
  • 自分に魅力がない
  • 触れたいと思われていない
  • 夫婦として終わっている気がする

という、自尊心や愛情確認の問題として感じる人が多い傾向があります。

また、セックスレスが長引くと、「今さら自分から言えない」「拒否されたら傷つく」と思い、さらに話しづらくなります。

その結果、夫以外の相手に「女性として扱われること」への関心が高まることもあります。

たとえば、職場の男性、趣味仲間、昔の知人、既婚者同士の交流などで、「きれいだね」「一緒にいると楽しい」と言われると、自分の女性性が回復したように感じる人も少なくありません。

男性側の本音

男性は、セックスレスについて悩んでいても、口に出さないことが多い傾向があります。

  • 拒否されるのが怖い
  • 疲れていて気力がない
  • 妻に求めるのが申し訳ない
  • 今さら恥ずかしい
  • 断られ続けて諦めた

このような気持ちから、自分の性欲や寂しさを隠している男性も多いのです。

また、男性は「セックスが減った=愛情が減った」と感じやすい傾向があります。

そのため、セックスレスが続くと、自信を失ったり、外で承認を求めたりするケースもあります。

セックスレスが夫婦関係に与える影響

セックスレスそのものが問題なのではなく、「セックスレスについて話し合えないこと」が、夫婦関係を悪化させます。

たとえば、

  • 拒否された側が傷つく
  • 拒否した側も罪悪感を抱える
  • お互いに避け合う
  • 会話が減る
  • スキンシップがなくなる
  • 家庭内別居状態になる

という悪循環が起こりやすくなります。

心理学者・夫婦関係研究者のJohn Gottman氏は、夫婦関係が悪化する兆候として、「無視」「回避」「防御」を挙げています。

セックスレスが長引く夫婦では、こうした状態が日常化しやすくなります。

関係改善のヒント

関係改善のヒント

1. 性の話をタブーにしない

日本の夫婦は、性について話し合うことが苦手です。

しかし、本音を言わないままでは、お互いに誤解が積み重なります。

「最近、少し寂しい」「本当は触れ合いたい」「疲れていて難しい」など、責めずに自分の気持ちを伝えることが大切です。

2. 会話とスキンシップを増やす

いきなり性生活を戻そうとするより、まずは会話やスキンシップを増やすことが大切です。

  • 一緒に食事をする
  • 手をつなぐ
  • ハグをする
  • 隣に座る
  • 二人で出かける

こうした小さな接触が、夫婦の距離を縮めます。

3. 女性側も「待つだけ」をやめる

女性は、「夫から求められるべき」と考えがちです。

しかし、男性側も年齢とともに自信を失っていることがあります

自分から軽く触れる、褒める、感謝を伝えるだけでも、関係性は変わります。

4. 二人で非日常を作る

旅行、ホテル、レストラン、美術館、温泉など、日常から少し離れた空間は、夫婦関係に刺激を与えます。

中野信子氏は、「人は、非日常的な状況に置かれると、相手への感情が高まりやすい」と説明しています。

長年連れ添った夫婦ほど、意識的に非日常を取り入れることが重要です。

まとめ

セックスレスは、結婚3〜5年目以降、特に子育て期から増えやすくなります。

しかし、セックスレス自体は珍しいことではなく、多くの夫婦が経験する問題です。

大切なのは、「なぜそうなったのか」を責め合うのではなく、会話不足、疲労、生活習慣、身体の変化などを一緒に理解することです。

特に女性は、「愛されていない」「女性として見られていない」と感じやすく、男性は「拒否されるのが怖い」と感じやすい傾向があります。

だからこそ、まずは性の話をタブーにせず、会話とスキンシップを増やすことが、夫婦関係を改善する第一歩になります。

Q&A

Q
セックスレスは結婚何年目から増えるのでしょうか?
A

セックスレスは特定の年数で一律に始まるものではありませんが、一般的には結婚3〜5年目頃から徐々に増えていく傾向があります。この時期はちょうど生活が安定する一方で、子どもの誕生や仕事の責任増加など、環境の変化が重なるタイミングでもあります。特に30代前半から40代にかけては、育児と仕事の両立による疲労が蓄積し、夫婦の時間そのものが減少しやすくなります。

また、40代以降になると「1年以上ない」「数年単位でない」というケースも珍しくなくなります。これは単なる忙しさだけでなく、関係性の固定化や身体的変化も影響しています。重要なのは、セックスレスは「仲が悪いから起こる」という単純な問題ではなく、生活環境と心理状態の変化が重なって起こるものだという点です。

そのため、「うちはもう終わりなのでは」と極端に捉える必要はありませんが、自然に改善することも少ないため、早い段階で夫婦のコミュニケーションを見直すことが大切です。

Q
セックスレスの夫婦はどれくらいいるのが普通ですか?
A

セックスレスは決して少数派ではなく、日本では既婚者の半数近くが該当するといわれています。日本家族計画協会の調査でも、セックスレス傾向の夫婦は非常に多く、特に中年以降では「珍しいことではない」というレベルまで広がっています。

ただしここで注意すべきなのは、「多い=問題ではない」というわけではない点です。夫婦双方が納得している場合は問題になりにくいですが、どちらか一方でも不満や孤独感を抱えている場合、それは関係性の質に影響を与えます。

また、表面的には問題がないように見えても、「話し合っていないだけ」「諦めているだけ」というケースも少なくありません。特に日本の夫婦は性について話す文化が弱いため、本音が見えにくい傾向があります。

つまり、セックスレスは「よくあること」ではあるものの、その内側にある感情や満足度には大きな個人差があり、一概に安心できる状態とは言えないのです。

Q
セックスレスになる一番の原因は何ですか?
A

セックスレスの原因は一つではなく、複数の要因が重なって起こるのが一般的です。その中でも特に大きいのが、「生活疲れ」と「関係性の変化」です。

子育てや仕事による慢性的な疲労は、性的な余裕を奪います。特に女性は出産後、身体的・精神的な負担が大きく、睡眠不足も重なることで「休みたい」という気持ちが優先されやすくなります。一方、男性も仕事のストレスや責任増加によって気力が低下し、結果的に夫婦の時間が減少します。

さらに見逃せないのが、「相手を異性として見られなくなる」という変化です。長年一緒にいることで安心感は増す一方、ときめきや刺激は減少します。加えて、会話不足によって感情的なつながりが弱まると、身体的な関係も自然と遠のいていきます。

つまりセックスレスは、単なる性欲の問題ではなく、「疲労・習慣・心理的距離」の複合的な結果として生じるものなのです。

Q
セックスレスに対する男女の感じ方はどう違うのでしょうか?
A

セックスレスに対する感じ方には、男女で明確な違いがあります。

女性の場合、多くは「性欲が満たされないこと」よりも、「愛されていない」「女性として見られていない」といった感情面の問題として捉えます。触れられないことが、自分の価値や魅力を否定されたように感じ、自尊心の低下につながるケースも少なくありません。その結果、「もう夫婦として終わっているのでは」と感じやすくなります。

一方、男性は「拒否されること」に強い心理的ダメージを受けやすく、それを避けるために自ら距離を取る傾向があります。また、「セックスが減る=愛情が減った」と感じやすいため、自信喪失や外部への承認欲求につながることもあります。

このように、女性は「感情のつながり」、男性は「受け入れられるかどうか」に重きを置く傾向があり、このズレがセックスレスをさらに深刻化させる要因になります。

Q
セックスレスを改善するには何から始めればいいですか?
A

セックスレスを改善するために重要なのは、いきなり性生活を戻そうとすることではなく、「関係性の土台」を整えることです。

まず最優先なのは、性について話すことをタブーにしないことです。「寂しい」「本当は触れ合いたい」「疲れている」といった気持ちを、責めずに共有することで、誤解やすれ違いを減らすことができます。

次に大切なのが、会話とスキンシップの回復です。手をつなぐ、隣に座る、一緒に食事をするなど、小さな接触を積み重ねることで心理的距離が縮まります。特に女性は、日常の安心感がなければ身体的な関係に前向きになりにくいため、このプロセスは非常に重要です。

さらに、旅行や外食など非日常の体験を共有することも効果的です。環境が変わることで感情が動きやすくなり、相手への見方が変わるきっかけになります。

セックスレスは「解決するもの」というより、「関係を再構築する過程」と捉えることが、長期的な改善につながります。

参考文献

  • 中野信子『不倫』
  • 中野信子『脳の闇』
  • 黒川伊保子『夫婦脳』
  • John Gottman『The Seven Principles for Making Marriage Work』
  • 日本家族計画協会「セックスレスに関する調査」
  • 日本性科学会「セックスレスの定義」
  • 婦人公論「夫婦関係・更年期特集」

コメント

タイトルとURLをコピーしました