セックスレス時代に既婚女性が本当に求めているもの|孤独・承認欲求・心のつながりを解説

セックスレス時代に既婚女性が本当に求めているもの|孤独・承認欲求・心のつながりを解説 Love

「最近、夫に求められない」「夫婦生活がないまま何年も経っている」「愛されているはずなのに、なぜか満たされない」。

こうした悩みを抱えている既婚女性は少なくありません。

日本では、夫婦の半数以上がセックスレス傾向にあると言われています。[1]

特に40代、50代になると、仕事、育児、介護、更年期などが重なり、夫婦生活の頻度は大きく減っていきます。しかし、多くの女性が本当に苦しんでいるのは、「セックスがないこと」そのものではありません。

触れられないこと。

求められないこと。

女性として見られていないこと。

そして、一緒にいるのに孤独であることです。

人は年齢を重ねても、「誰かに必要とされたい」「理解されたい」「安心して本音を話したい」という気持ちを持ち続けます。

本稿では、「セックスレス時代」に既婚の女性が本当に求めているものとは何なのか。心理学、幸福度研究、脳科学、アンケート調査をもとに考えてみたいと思います。

日本ではセックスレス夫婦が多数派になっている

セックスレスは珍しい悩みではない

日本家族計画協会の調査では、「特別な事情がないにもかかわらず、1か月以上性交渉がない夫婦」をセックスレスと定義しています。[1]

この定義で見ると、日本では既婚者の約半数以上がセックスレス状態にあるとされます。2024年のジェクス「ジャパン・セックスサーベイ」でも、20〜69歳既婚者のうち、セックスレス傾向がある人は68.2%でした。[2]

つまり、夫婦生活が少ないことは、決して珍しいことではありません。

それでも、多くの女性は「うちだけがおかしいのではないか」「周囲はもっと仲良くしているのではないか」と不安になります。

実際には、表に出にくいだけで、多くの夫婦が同じ悩みを抱えています。

ある45歳女性は、「友人には恥ずかしくて言えなかったけれど、夫とは5年以上夫婦生活がない。周囲は仲が良さそうに見えるので、自分だけが取り残されているように感じていた」と話していました。

しかし、同世代の女性たちと話してみると、「うちも同じ」「最後に触れられたのはいつだったか思い出せない」という声が多く、少し安心したそうです。

セックスレスは、既婚女性にとって非常に人に言いにくい悩みです。だからこそ、自分だけではないと知ることが、まず最初の救いになります。

40代・50代ではさらに割合が高くなる

セックスレス率は、年齢とともに上がります。

40代女性のセックスレス率は64.4%、50代女性では79.5%という調査結果もあります。[3]

40代は、子育て、仕事、親の介護、更年期の入り口など、人生でも特に忙しい時期です。夜は疲れてしまい、夫婦の時間を持つ余裕がなくなりやすくなります。

50代になると、子育てが落ち着く一方で、長年の夫婦関係の積み重ねから、相手を「異性」より「家族」として見る傾向が強くなります。

また、更年期による性欲低下、性交痛、乾燥、男性側のEDやテストステロン低下など、身体的な変化も大きくなります。[4]

ただし、年齢とともに頻度が減ること自体は自然なことです。

問題は、頻度が減ったことよりも、「なぜ減ったのかを話せない」「片方だけが孤独や不満を抱えている」ことです。

レスでも満足している夫婦はいます。一方で、月1回でも「愛されていない」と感じる夫婦もいます。

大切なのは、回数ではなく、夫婦双方が納得しているかどうかなのです。

女性は「求められないこと」に傷つきやすい

女性は「求められないこと」に傷つきやすい

セックスレスは愛情不足と感じやすい

女性にとって、セックスは単なる行為ではなく、「愛されている」「必要とされている」と感じるための大切な確認作業になりやすいと言われます。[5]

もちろん、すべての女性がそうではありません。しかし、多くの既婚女性は、触れられないことや求められないことを、「愛情がなくなった」と受け止めやすい傾向があります。

たとえば、夫から「疲れている」「その気になれない」と言われ続けると、「私に魅力がないのかもしれない」「もう女性として見られていないのかもしれない」と感じる人は少なくありません。

ある49歳女性は、「夫は家事も手伝ってくれるし、優しい。でも、10年以上求められていない。悪い人ではないのに、ずっと一人ぼっちのような気がしていた」と話していました。

これは、とても自然な感情です。

心理学では、人はパートナーからの承認によって自己肯定感を維持しやすいとされています。[6]

だからこそ、「求められない」という状態は、単なる性生活の問題ではなく、「私は必要とされていないのではないか」という深い孤独につながりやすいのです。

女性として見られていない感覚が自己肯定感を下げる

40代、50代になると、多くの女性は「母親」「妻」「家事担当」として見られる時間が増えます。

子どもの予定、食事、家計、親の介護。夫婦の会話は連絡事項ばかりになり、女性として褒められたり、触れられたりする機会は減っていきます。

ある52歳女性は、「子どもが独立したあと、急に虚しくなった。私はずっと家族のために頑張ってきたのに、夫から女性として見られていないことに気づいてしまった」と話していました。

女性にとって、「きれいだね」「ありがとう」「一緒にいると落ち着く」と言われることは、単なるお世辞ではありません。

自分がまだ女性として存在している、自分には価値がある、と感じる大切な確認になります。

進化心理学の創始者のデヴィッド・バスと女性の性行動や性的動機を専門とする臨床心理学者のシンディ・メストンの研究でも、女性がセックスを求める理由には、愛情確認や自己肯定感の維持が大きく関係しているとされています。[5]

そのため、セックスレスで傷ついている女性が本当に求めているのは、体の関係そのものではなく、「私はまだ女性として見られている」という感覚なのかもしれません。

セックスレスで苦しいのは体より孤独

一緒にいるのに孤独を感じる既婚女性は多い

結婚しているのに孤独を感じる。

これは、多くの既婚女性が抱えている悩みです。

夫婦仲が悪いわけではない。生活にも大きな問題はない。それでも、「一緒にいるのに孤独」「誰にもわかってもらえない」と感じる人は少なくありません。

ハーバード大学の成人発達研究では、人の幸福度を最も左右するのは、人間関係の質だとされています。[7]

お金や地位よりも、「安心して本音を話せる相手がいるかどうか」の方が重要なのです。

逆に言えば、結婚していても、本音を話せない、理解されない、求められない状態が続くと、人は強い孤独を抱えるようになります。

ある46歳女性は、「夫と毎日同じ家にいるのに、何日もまともに会話していない。家に帰っても、誰も私のことを見ていない気がする」と話していました。

孤独は、一人でいることではありません。

理解されないこと。

必要とされていないと感じること。

それこそが、人をもっとも苦しめる孤独なのです。

セックスレスは会話不足や感情共有不足とも関係する

セックスレスは、単なる性欲の問題ではありません。

多くの場合、背景には会話不足や感情共有不足があります。

夫婦の会話が「子ども」「お金」「家事」だけになると、自然にスキンシップも減っていきます。

心理学者で夫婦関係研究の第一人者であるジョン・ゴットマンは、夫婦満足度を左右するのは、「小さな感情への反応」だと述べています。[8]

たとえば、「今日は疲れた」と言った時に、「大変だったね」と返すか、「みんな疲れてるよ」と流すかで、関係は大きく変わります。

セックスレスで苦しい夫婦は、体の関係だけでなく、会話や感情共有も少なくなっていることが多いのです。

だからこそ、必要なのは回数を増やすことだけではありません。

話を聞くこと。

感謝を伝えること。

小さなスキンシップを戻すこと。

そうした積み重ねが、夫婦関係を変えていきます。

話を聞いてくれる人に惹かれる理由

女性は共感的コミュニケーションを重視しやすい

女性は、男性に比べて「共感されること」を重視しやすいと言われています。[9]

悩みを話した時、すぐに解決策を出されるより、「それはつらかったね」「よく頑張っているね」と言われた方が安心できる人は多いのではないでしょうか。

ある48歳女性は、「夫に悩みを話すと、いつも『考えすぎだよ』『そんなの気にしなくていい』と言われる。悪気はないのだろうけれど、私はただ、わかってほしいだけだった」と話していました。

その一方で、趣味のコミュニティで出会った男性が、「大変だったね」と話を聞いてくれた時、涙が出そうになったそうです。

女性が惹かれるのは、恋愛感情そのものではなく、「ちゃんと話を聞いてくれる人」「自分を理解してくれる人」であることが少なくありません。

そのため、既婚女性が心のつながりを求める時、本当に必要なのは、派手な恋愛ではなく、安心して本音を話せる相手なのです。

人生後半は「性」より「親密さ」が重要になる

40代、50代以降になると、人が求めるものは少しずつ変わります。

若い頃のような刺激やときめきよりも、「一緒にいて安心できる」「自然体でいられる」「本音を話せる」ことの方が大切になります。

人生後半は、親の介護、子どもの独立、仕事の変化、更年期、健康不安など、多くの問題が重なる時期です。

その中で、自分の弱さや不安を安心して話せる人がいることは、大きな支えになります。

心理療法家で夫婦関係研究者のエスター・ペレルも、長期的なパートナーシップでは、「性的魅力」だけでなく、「好奇心」「尊重」「新鮮さ」が関係を支えると述べています。[10]

人生後半に必要なのは、「性」だけではありません。

会話。

安心感。

共感。

スキンシップ。

そうした親密さこそが、人の幸福度を支えるのです。

心のつながりを持つことは悪いことではない

心のつながりを持つことは悪いことではない

夫婦だけですべてを満たそうとしなくてよい

夫婦だけですべてを満たそうとすると、苦しくなることがあります。

パートナーは大切な存在ですが、一人の相手に、「理解してほしい」「支えてほしい」「褒めてほしい」「孤独を埋めてほしい」とすべてを求めるのは、現実には難しいこともあります。

だからこそ、友人、趣味、仕事、コミュニティなど、複数の人間関係を持つことが大切です。

最近では、既婚者同士のコミュニティや、同じ立場の人と話せる場所に救われる人も増えています。

家庭の悩みは、独身の友人には話しにくいことがあります。

しかし、同じように夫婦関係や孤独に悩んでいる人なら、「わかる」「私も同じ」と共感してくれることがあります。

人は、理解されるだけで救われることがあります。

自分らしくいられる居場所が人生を支える

人生後半に必要なのは、自分らしくいられる居場所です。

妻でも母でもなく、一人の人間として、自分の話を聞いてもらえる場所。

趣味でも、友人関係でも、コミュニティでも構いません。

誰かと話し、自分の感情を整理し、「私はここにいていい」と思えることは、人の幸福度を大きく高めます。

既婚女性が本当に求めているのは、刺激ではなく安心感です。

恋愛感情だけではなく、自分らしくいられる人間関係を持つこと。

それは、わがままでも贅沢でもありません。

人生後半を穏やかに、自分らしく生きるために必要なことなのです。

まとめ

セックスレス時代に既婚女性が本当に求めているものは、体の関係だけではありません。

求められたい。

理解されたい。

女性として見られたい。

安心して本音を話したい。

そうした気持ちは、とても自然なものです。

セックスレスで苦しいのは、体の問題より、「一緒にいるのに孤独」「必要とされていない」と感じることなのかもしれません。

だからこそ、回数だけにとらわれるのではなく、自分が本当は何を求めているのかを見つめることが大切です。

Q&A

Q
セックスレスはどこからですか?
A

一般的には、特別な事情がないのに1か月以上性交渉がない状態を指します。

Q
40代・50代でセックスレスは普通ですか?
A

珍しくありません。40代女性では6割超、50代女性では8割近くがセックスレス傾向という調査もあります。

Q
セックスレスで苦しいのはなぜですか?
A

多くの場合、体の問題よりも、「求められていない」「理解されていない」と感じる孤独が大きく関係しています。

Q
夫婦仲が悪くなくても孤独を感じるのはなぜですか?
A

会話不足や感情共有不足があると、生活は安定していても「一緒にいるのに孤独」と感じやすくなります。

参考文献

[1] 日本家族計画協会『男女の生活と意識に関する調査』 https://www.jfpa.or.jp/

[2] ジェクス ジャパン・セックスサーベイ2024 https://www.jex-inc.co.jp/

[3] allabout「40代・50代女性のセックスレス率調査」2024

[4] 日本性科学会 更年期と性生活に関する研究

[5] David Buss, Cindy Meston『Why Women Have Sex』2009

[6] John Bowlby『Attachment and Loss』1969

[7] Harvard Study of Adult Development(1938年開始) https://adultdevelopmentstudy.org/

[8] John Gottman『The Seven Principles for Making Marriage Work』1999

[9] Deborah Tannen『You Just Don’t Understand』1990

[10] Esther Perel『Mating in Captivity』2006


執筆者プロフィール

ペンネーム:Re-Self編集部

夫婦関係、孤独、人生後半の人間関係をテーマに、心理学、脳科学、幸福度研究をもとに執筆。30〜50代女性が自分らしく生きるためのヒントを発信している。

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