既婚者マッチングサービスというと、「恋愛目的」「刺激を求める場所」というイメージを持つ人は少なくありません。
しかし、実際に利用者の声やアンケート結果を見ると、多くの人が求めているのは、恋愛そのものよりも「話を聞いてくれる人」「自分を理解してくれる人」「異性として見てくれる人」です。
夫婦仲が悪いわけではない。離婚したいわけでもない。家庭も仕事もある程度安定している。それでも、「一緒にいるのに孤独」「誰にも本音を言えない」「女性として見られていない」と感じている既婚女性は少なくありません。
実際、既婚者向けコミュニティの利用実態調査では、「相談できる異性の友人が欲しい」が33%、「日常のストレスや愚痴を話したい」が22%、「趣味や食事を楽しめる相手を探したい」が19%を占めました。一方で、「身体的な関係を求めている」と回答した人は1割未満でした。
つまり、多くの利用者は、刺激よりも安心感、恋愛よりも感情共有、特別な関係よりも「心のつながり」を求めているのです。
特に40代、50代は、子育て、介護、仕事、更年期など、人生の課題が重なる時期です。その中で、夫婦関係が家族中心になり、恋愛感情や会話が減っていくと、「私はもう女性ではないのかもしれない」「このまま誰にも理解されないまま人生が終わるのではないか」と感じやすくなります。
既婚者マッチングサービスは、そうした孤独を埋める「第三の居場所」として利用されることが増えています。
既婚者マッチングサービスは「話し相手」や「理解者」を求める人が多い
既婚者マッチングサービスを利用する理由として、多くの人が挙げるのは、「相談できる相手が欲しい」「気軽に話せる人が欲しい」「異性の視点で話を聞いてほしい」というものです。
ある調査では、「相談できる異性の友人が欲しい」が33%、「ストレスや愚痴を話したい」が22%、「趣味や食事を楽しめる相手を探したい」が19%でした。
この結果からも分かるように、多くの利用者は、恋愛感情そのものよりも、「自分を理解してくれる人」とつながりたいと思っています。
特に既婚女性は、家庭の中で母親、妻、仕事人、娘など、多くの役割を担っています。そのため、自分の悩みや弱さを話す機会が少なくなり、「私は誰にもわかってもらえていない」と感じやすくなります。
たとえば、ある47歳女性は、「夫は家族としてはいい人。でも、私の話を最後まで聞いてくれない。悩みを話しても、すぐにアドバイスや否定が返ってくる」と話していました。
一方で、既婚者マッチングサービスで知り合った同年代の男性と、趣味や仕事、子育ての悩みを話すようになり、「こんなに自然に話せる相手がいるんだと思った」と感じたそうです。
もちろん、それは特別な恋愛感情ではありません。
ただ、「ちゃんと話を聞いてくれる人がいる」「私はここにいていいと思える」という感覚が、人の孤独を大きく軽くするのです。
夫婦仲が悪くなくても孤独を感じる既婚女性は多い
「夫婦仲が悪いわけではない。でも、なぜか満たされない」――。
こうした感覚を抱えている既婚女性は少なくありません。
夫は真面目で、生活費も入れてくれる。暴言や暴力があるわけでもない。子どももいて、家庭としては成立している。
それでも、「最近、夫と心が通っていない」「一緒にいるのに孤独」と感じる人は多いのです。
背景には、会話不足と感情共有不足があります。
結婚生活が長くなると、夫婦の会話は「子どもの予定」「お金」「家事」「親の介護」など、生活の連絡事項ばかりになりがちです。
「今日は疲れた」「本当は少し寂しい」「最近、自分に自信がない」――。
そうした感情を話す機会がなくなると、夫婦は家族としては成立していても、心の距離が広がっていきます。
ハーバード大学の成人発達研究では、人生の幸福度を最も左右するのは、人間関係の質だとされています。
お金や社会的地位よりも、「安心して本音を話せる相手がいるかどうか」の方が、幸福度に大きく影響するのです。
そのため、夫婦関係が安定していても、「理解されていない」「必要とされていない」と感じると、人は強い孤独を抱えるようになります。
既婚女性が求めているのは「女性として見られる感覚」

既婚女性が既婚者マッチングサービスに興味を持つ理由の一つに、「女性として見られたい」という気持ちがあります。
40代、50代になると、多くの女性は母親役、妻役、家事役として過ごす時間が増えます。
家庭の中では、誰かの世話をする側になることが多く、自分自身が「女性」として扱われる機会は減っていきます。
誕生日も母の日も、子どもの話題ばかり。夫婦の会話は家事や生活のことだけ。褒められることも、触れられることも少なくなる。
そうした生活が続くと、「私はもう異性として終わったのかもしれない」と感じる人は少なくありません。
ある52歳女性は、「久しぶりに“素敵ですね”と言われた時、泣きそうになった。恋愛感情ではなく、まだ女性として見てもらえたことがうれしかった」と話していました。
これは特別なことではありません。
心理学では、人は他者からの承認によって自己肯定感を維持しやすいとされています。
特にパートナーや異性からの承認は、「私はまだ魅力がある」「私はまだ必要とされる存在だ」という感覚につながります。
そのため、既婚女性が求めているのは、派手な恋愛ではなく、「女性として見られる感覚」や「自分を認めてもらえる安心感」であることが多いのです。
既婚男性も「話を聞いてくれる相手」を求めている
既婚者マッチングサービスを利用するのは、女性だけではありません。
既婚男性もまた、「安心して話せる相手」「否定されずに受け止めてくれる人」を求めています。
男性は、仕事や将来不安、親の介護、健康問題などを抱えていても、それを言葉にするのが苦手な人が少なくありません。
「弱音を吐いてはいけない」「家庭ではしっかりしなければいけない」と思い込み、一人でストレスを抱え込みやすいのです。
そのため、家庭の外で、「頑張っていますね」「大変でしたね」と言ってくれる人に出会うと、気持ちが軽くなることがあります。
ある50歳男性は、「家では父親役、夫役で、悩みを話す相手がいなかった。既婚者コミュニティで、同じような年代の女性と話すようになって、自分だけじゃないと思えた」と話していました。
男性もまた、「恋愛」より「承認」や「理解」を求めていることがあります。
特に人生後半は、仕事の役職定年、収入不安、老後、健康問題など、自信を失いやすい時期です。
その中で、「あなたは大丈夫」「話してくれてありがとう」と言ってくれる存在は、大きな支えになります。
既婚者マッチングサービスは「第三の居場所」になっている
近年、心理学や幸福度研究では、「第三の居場所」の重要性が注目されています。
家庭でも職場でもない、自分らしくいられる場所があることは、人の幸福度に大きく影響します。
夫婦関係だけに幸せを求めすぎると、相手に期待しすぎて苦しくなることがあります。
しかし、友人、趣味、コミュニティ、仕事仲間など、複数の居場所があると、人は心のバランスを取りやすくなります。
既婚者マッチングサービスは、その「第三の居場所」の一つとして機能している側面があります。
実際、利用者アンケートでは、「同じ立場の人と話せることが安心だった」「既婚同士だからこそ、家庭や夫婦関係の悩みを理解してもらえた」という声が多く見られます。
また、40代・50代の利用者は、「恋愛したい」というより、「趣味や食事を一緒に楽しめる相手が欲しい」「一人で抱えている悩みを共有したい」と考えている人が多い傾向があります。
つまり、多くの人が求めているのは、特別な刺激ではなく、「自然体でいられる関係」なのです。
心のつながりを求めるなら、自分が何を求めているのか整理することが大切

既婚者マッチングサービスに興味を持った時、大切なのは、「自分は何を求めているのだろう」と整理することです。
話を聞いてほしいのか。
女性として見られたいのか。
安心感が欲しいのか。
趣味や食事を楽しめる相手が欲しいのか。
夫婦関係の中で足りないものを埋めたいのか。
人は、自分の孤独や寂しさの正体がわからないままだと、余計に苦しくなります。
逆に、「私はただ、誰かに話を聞いてほしかった」「私は女性として見られたいだけだった」と気づくことができれば、自分らしい選択がしやすくなります。
既婚女性にとっても、既婚男性にとっても、本当に必要なのは、刺激や特別な恋愛ではなく、「私はここにいていい」と思える人間関係なのかもしれません。
人生後半は、誰かに認められること、安心して本音を話せること、自分らしくいられることが、幸福度を大きく左右します。
既婚者マッチングサービスは、そのための選択肢の一つとして利用されているのです。
Q&A
- Q既婚者マッチングサービスを使う人は恋愛目的が多いのですか?
- A
利用者アンケートでは、「話し相手が欲しい」「相談相手が欲しい」「趣味を共有したい」という目的が多く、恋愛だけが目的とは限りません。
- Q既婚女性はなぜ既婚者マッチングサービスに興味を持つのですか?
- A
孤独感、会話不足、女性として見られたい気持ち、感情共有の不足などが背景にあります。
- Q既婚男性はどんな目的で利用するのですか?
- A
仕事や家庭の悩みを話せる相手、理解者、承認してくれる相手を求めている人が多い傾向があります。
- Q夫婦仲が悪くなくても孤独を感じるのはなぜですか?
- A
会話不足や感情共有不足があると、家庭としては成立していても、「理解されていない」「必要とされていない」と感じやすくなります。
参考文献
- Harvard Study of Adult Development
- John Gottman『The Seven Principles for Making Marriage Work』1999
- David Buss & Cindy Meston『Why Women Have Sex』2009
- 日本家族計画協会「男女の生活と意識に関する調査」
- ジェクス ジャパン・セックスサーベイ2024
- 既婚者コミュニティ利用実態調査 2026


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