ミルトンエリクソン【名言】無意識を開く天才心理療法家

無意識のイメージ

アメリカの精神科医で心理療法家のミルトン・エリクソンは「催眠療法の父」と呼ばれ、NLPのリチャード・バンドラーを始めとする数多くの心理セラピストに影響を与えています。

エリクソンは、解決法は患者の「無意識」の中にあると信じ、無意識に繋がることでクライアントの抱える多くの難問題を解決してきました。

今回ご紹介するミルトン・エリクソンの無意識に関する名言は、臨床の場面だけでなく人生で直面する様々な問題解決のヒントにもなることでしょう。

無意識に関するミルトン・エリクソン7名言

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今回は、エリクソンが生前に残した名言の中でも無意識(unconscious mind)に関するものを7つご紹介します。

無意識とは明らかにシンプルで、ありのまま、率直で正直なものです。
The unconscious mind is decidedly simple, unaffected, straightforward and honest. 

 

自我意識は無意識に何をすればよいのかを伝えることができない。
The conscious ego cannot tell the unconscious what to do?

 

無意識はあなたが知らないうちに働き、またそうなるのを好んでいる。
The unconscious mind works without your knowledge and that is the way it prefers.

 

私たちの無意識はしばしば的確なアイデアを与えてくれ、それから意識的にその役を担って台無しにする。
Now our unconscious mind often gives the right idea and then they take charge of it consciously and messes it up.

 

患者は、自分自身の無意識とのラポール(相互信頼の関係)から外れているが故に患者なのだ…患者とは精神支配を受け過ぎている人々のことで、外部からの精神支配が多過ぎるあまり自分の内面との接点を失ってしまっている。
Patients are patients because they are out of rapport with their own unconscious… Patients are people who have had too much programming – so much outside programming that they have lost touch with their inner selves.

 

無意識を信頼しなさい。それはあなたより多くのことを知っています。
 Trust your unconscious; it knows more than you do.

 

無意識はあなたをどうやって守るかを知っています…。無意識には何が正しくて何が良いのかが分かってるのです。あなたが保護を必要をする時、無意識はあなたを守ってくれるでしょう。
Your unconscious knows how to protect you… Your unconscious mind knows what is right and what is good. When you need protection, it will protect you.

 

上記の名言から、ミルトン・エリクソンがいかに無意識を信頼し、無意識を活用した心理(催眠)療法家であったかが伝わってきます。

精神分析の創始者*フロイトの概念とは対照的に、エリクソンは常にクライアントの無意識の中にある潜在能力をリスペクトし強調していました。
*フロイトは、人間の行動や心理は無意識に支配されており、夢は無意識の表れだと考察した。

次にエリクソンの心理療法家としてのアプローチ法(エリクソニアン・アプローチ)をご紹介します。

エリクソニアン・アプローチと無意識の扉

無意識の扉を開ける

ミルトン・エリクソン(1901-1980)が臨床で行ってきた心理(催眠)療法はエリクソニアン・アプローチとも呼ばれています。

エリクソンは、人と人との間には常に無意識のコミュニケーションがあると信じ、クライアントの治療において無意識的モードでのアプローチを重要視しています。

エリクソンはクライアントとのコミュニケーションには常に2つのレベルがあると気づいていました。

言葉によるコミュニケーションと表情、身体の動きや姿勢、声の調子などを使った非言語コミュニケーションの2つです。

また、エリクソンはクライアントの症状自体もコミュニケーションだと捉えてアプローチしました。

クライアントを悩ませている症状はコミュニケーションの型であり、望む未来の方向を示す無意識的シグナルだと考えたのです。

一方で、エリクソンはクライアントの問題や症状を解決するためにその原因を追求することはなく、臨床の実績を理論化、体系化することに消極的でした。

エリクソンのアプローチには、クライアントの無意識に内的リソースを活性化させるために会話による暗示や催眠によるトランス(変性意識状態)の活用があります。

エリクソンは、人間には日常のさまざまなレベルでトランスが起こると信じていました。

通勤中や会議中、または空想中…音楽、芸術、スポーツに集中し没頭している時のフロー体験。

「ランナーズ・ハイ」や最近よく使われる「ゾーンに入る」という体験中にもトランスが起こっています。

エリクソンは、たとえクライアントが深いトランス状態に入ってなくても無意識は依然として働いていると考えていました。

エリクソンは間接的な暗示のプロセスをクライアントに与えることによって、クライエントの状態に関わらず治療的な変化を起こしたのです。

ミルトン・エリクソンはクライアントの無意識の扉を開く天才だったともいえるでしょう。

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